定格電圧とは、その電圧で使用することを前提に設計・製造された電気機器の電圧であり、下の回路図で言うと、一次側の200Vや二次側の24Vなどが、この定格電圧となります。
一般に、定格電圧はメーカーが下の回路図のように定めており、その電圧で使用すれば効率面又は寿命の面で最適となる電圧と言えます。
定格電圧とは、その電圧で使用することを前提に設計・製造された電気機器の電圧であり、下の回路図で言うと、一次側の200Vや二次側の24Vなどが、この定格電圧となります。
一般に、定格電圧はメーカーが下の回路図のように定めており、その電圧で使用すれば効率面又は寿命の面で最適となる電圧と言えます。
定格電流とは、巻線ごとに指定された使用限度電流のことで、「この値を超える電流を流し続けると、ある一定の時間内に壊れる可能性がある値の事です。
下の回路図では、二次側24Vの横に書かれた「2A」が、この巻線における定格電流ということになります。
最大定格電流とは、絶対にその値を超えてはならない電流値のことを言います。
ただし、超えたからといって必ずすぐに壊れるわけではありませんが、メーカーの保証の限りでなくなるというふうに理解しておいて下さい。
また、半導体素子の用なものの場合は、一瞬でも絶対最大定格を越えると、製品の品質を損なったり壊れたりすることもありますので要注意です。
突入電流は、「始動電流」、「ラッシュ電流」、「ラッシュカレント」などいろいろな呼び名で呼ばれる事もありますが、これは、変圧器を電源に接続する場合、遮断器投入時の電圧位相によって、いちじるしく大きな励磁電流が流入する場合があり、この時の大きな電流を(励磁)突入電流と言います。
この突入電流は、定格電流の数倍~数十倍、或いはそれ以上になる時もあります。
損失は、「無負荷損失」と「全損失」とに分けられ、それぞれ以下のように定義されます。
一次巻線に定格周波数、定格入力電圧を印加し、全ての二次巻線を開放した場合に消費される電力を言い、単位は(W)で表される。
一次巻線に定格周波数、定格入力電圧を印加し、全ての二次巻線に定格出力電流を流した場合に消費される電力を言い、単位は(W)で表される。
鉄損とは、鉄心において消費される電力損失で、使用されている鉄心の材質、板厚などによって異なる。
通常、無負荷損失によってその値を測定できるが、無負荷損失の全てが鉄損ではない。
銅損とは、固有の抵抗を持つ各巻線に流れる電流によって発生する発熱による損失のことを言い、銅損 W=I×I×R で表される。
効率とは、入力電力に対する出力電力の変換効率のことで、以下の式で表される。
効率(%)=トータルVA/トータルVA+全損失(鉄損+銅損)×100
*トータルVA:二次側回路の定格電圧×定格電流を全て加えたもの。
電源トランスを定格電圧・電流で動作させると、鉄損や銅損などの損失が熱となって発生するが、ある一定時間経過すると、熱的に飽和してある温度に達する。
この時の飽和温度と周囲温度との差を温度上昇という。
実際に電源トランスの飽和温度を測定する場合、鉄心の温度は表面温度計を直接鉄心上に接触させて測定できるが、内部の巻線温度については、一次巻線を通電した状態でその抵抗値を測定し、計算によって求める抵抗法と呼ばれる方法が用いられる。
使用温度範囲とは、電源トランスを定格入出力状態で、安全に連続して動作させることが出来る温度範囲をいう。
電源トランスなどのトランス又は変圧器は、使用されている絶縁材料の種類によって使用可能な温度(許容最高温度)が決められている。
一般的には、絶縁材料の温度グレードにより以下の通り決められている。
絶縁材料のグレード
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A種
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E種
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B種
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F種
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H種
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絶縁材料の使用温度上限値
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105℃
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120℃
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130℃
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155℃
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180℃
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電源トランスの許容最高温度
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100℃
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115℃
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120℃
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140℃
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160℃
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温度上昇(周囲温度50℃の時)
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50℃
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65℃
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70℃
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90℃
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110℃
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保存温度範囲とは、電源トランスを保存する場合の温度範囲に対する規定で、その他湿度や保存場所の環境条件に関する規定が定められる場合もある。
静電シールドとは、電源ノイズを減少させるために、一次巻線と二次巻線との間に入れる銅箔や板などのことをいう。
層間耐電圧試験とは、電源トランス巻線の各層間の絶縁性を確認する試験で、一般的な試験条件は以下の通りです。
二次側巻線 → 全て開放(無負荷状態という)
接地端子 → 鉄心に接続
試験周波数 → 定格周波数の2倍
試験電圧 → 定格電圧の2倍
試験時間 → 60秒以上
耐電圧試験とは、電源トランスの各巻線間、各巻線と鉄心間等の絶縁性能を確認するための試験で、使用時の電圧によって以下の電圧(参考、実際には各国の安全規格による)を規定時間印加し、絶縁破壊がないことを確認します。
使用電圧が30V以下 → 500V
30Vを超え115V以下 → 1000V
115Vを超え250V以下 → 1500V
250Vを超えるもの → 最高使用電圧×2 +1000V
絶縁抵抗試験とは、電源トランスの絶縁性能を確認する目的で行なうもので、絶縁物の電気抵抗を測定します。
通常この試験は、耐電圧試験による絶縁劣化を含めて確認出来るよう、耐電圧試験の後に行なわれます。
試験電圧は DC500V で、抵抗値は数十MΩ~数百MΩ以上を合格と判定します。
*実際の試験条件は、各国の安全規格により異なります。